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People 社員コラム 海洋建設の工法・技術

深梁工法とはどんな工法?メリット、デメリットをご紹介!

桟橋などの工事を行う際に重要な「深梁工法」というものがあります。これは、いったいどのようなものなのでしょうか?この記事では、深梁工法について詳しく紹介いたします。

深梁(ふかばり)工法とは?

深梁(ふかばり)工法とは、既設の桟橋の杭に工場製作をした鋼製部材を取り付け桟橋を補強する工法です。
主に既存の桟橋の補強や耐震強化、大型船舶などの着船を可能にし、安定性を高め、桟橋に掛かる外力を効果的に分散させるために行います。

深梁工法の利点の一つは、工場製作をした鋼製部材を取り付ける為、桟橋を補強する工法の増杭やジャケット置換に比べて施工時間が大幅に短縮できる点が上げられます。
また、既存の桟橋をそのまま使用することから上部工など撤去する必要がなく工事費や環境対策にも大きく軽減することが出来ます。

目的

深梁工法の主な目的は、上部工が健全な既存桟橋で必要補強量がジャケット置換工法ほど必要でない場合、深梁を設置することにより鋼管杭にかかる応力を低減させる事ができるため、耐震補強や大型クルーズ船などの着船を可能にすることも可能になります。

深梁設置状況
深梁設置状況

深梁工法の施工手順

深梁工法の実際の施工手順をまとめました。

1. 受け架台設置

受け架台とは、深梁を置く架台で深梁を設置する杭に取り付けます。
受け架台の取り付け高さが深梁の設置高さに直結するのでミリ単位の精度が求められます。

2. 下地処理(ケレン)

水中で、下地となる部分をキレイにするケレン作業を行います。ケレン作業の詳細については、「ケレン作業とは?どんな作業?なんのためにやるの? | 社員コラム」をご覧ください。

3. スタッド・鉄筋設置

スタッドとは、コンクリートと鋼材を一体化させる為のボルトの様なもので鉄筋と組み合わせることにより、強度を高めます。

4. 深梁設置

受け架台設置、下地処理、スタッド・鉄筋の設置施工完了後、深梁を設置します。
大きいものだと8トン以上にもなるため、大抵の場合、直接クレーンで杭に設置出来ないため、ブイやエアーバルーンを使って水面に浮かせてから桟橋下へ移動させ設置作業を行います。

5. コンクリート充填

深梁と杭の間に補強のためコンクリートを充填します。

コンクリート充填状況
コンクリート充填状況

深梁工法を行う際の注意点

深梁工法は、既設杭の腐食が少なく、再利用が可能な桟橋が適用範囲になるため、既設杭の腐食が進んでいたり、再利用が不可能な桟橋は適用範囲外になります。
深梁工法を行う際は、既設杭の健全度を見極めることが大切です。

深梁工法の重要性、メリット、デメリット

深梁工法は、既存桟橋に対しての耐震補強、着船船舶の大型化、老朽化対策が必要になった場合に、費用などを抑えたまま施工を行うことができます。

メリットとしては、既設部材を最大限有効活用することから環境対策にも貢献し桟橋を供用しながら補強することができ、超大型重機が不要なため工期・現地費用・桟橋の共有停止期間などを大幅に短縮することが可能です。

デメリットとしては、既存桟橋の腐食が進んでいた場合、深梁工法では必要な強度を確保することができず既存桟橋の健全度に依存してしまう点です。また、深梁設置時はブイやエアーバルーンを使用して設置するため、波浪状況や潮位、風、深梁の水平状態など、様々な要件をクリアする必要があります。

完成
完成

まとめ

深梁工法とは、深梁と呼ばれるものを使用して、既設桟橋の耐震補強や大型船舶の着船を可能にすることが出来ます。施工期間や費用が少なく済むメリットがありますが、深梁設置時は波浪、風、天気の影響を受けるため、スムーズに作業が進まない場合があります。

作業における情報や取り組み等については、「技術・工法」や「技術・工法 / 深梁工法」を御覧ください。

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