2025-05-31
海洋土木工事の現場で使われる安全装備10選

海洋土木工事は、港湾整備や海底トンネル建設など、私たちの生活を支える重要なインフラ整備を担っていることをご存知ですか?
しかし、海という特殊な環境での作業は危険を伴うため、適切な安全装備が不可欠です。安全な作業環境の構築は、工事の効率化と質の向上にも繋がるため、しっかり理解しておく必要があります。
そこで、この記事では、海洋土木工事の現場で実際に使用される安全装備10選を紹介すると共に、その役割や重要性について解説します。
この記事では以下のような内容をご紹介しています。
海洋建設の工事はどんな現場で工事するの?
海洋建設の工事現場は、陸上の建設現場とは大きく異なり、特殊な環境と条件下で行われます。具体的には、以下のような場所で工事が行われています。
港湾・漁港
港湾や漁港は、船舶の安全な航行や停泊、漁業活動の拠点となる重要な施設です。これらの施設の建設・維持管理には、岸壁、防波堤、護岸、桟橋などの構築物が関わってきます。工事では、波や潮汐の影響を受けながら行われるため、特殊な技術と安全対策が求められます。
海岸
海岸は、波や風、潮汐などの自然現象の影響を常に受けている場所です。そのため、海岸保全や砂浜の再生、護岸工事などは、自然環境への配慮も必要となり、綿密な計画と高度な技術が求められます。
海上
海上に建設される構造物としては、洋上風力発電施設や海底ケーブルの敷設などがあります。これらの工事は、水深や海流、気象条件など、様々な要素を考慮しながら進められます。
また、作業船や潜水士などの専門的な人員と装備が必要となります。
河川・湖沼
河川や湖沼では、ダムや堰堤、橋梁などの建設、浚渫工事などが行われます。水の流れや水質、周辺の生態系への影響を最小限に抑えるよう配慮しながら行います。
工事の種類と場所
海洋建設工事は、その種類によって行われる場所も異なります。主な工事の種類と場所の関係を、以下の表にまとめました。
工事の種類 | 場所 |
---|---|
浚渫工事 | 港湾、漁港、河川、湖沼 |
護岸工事 | 海岸、河川、湖沼 |
防波堤工事 | 港湾、海岸 |
桟橋工事 | 港湾、漁港 |
洋上風力発電施設建設 | 海上 |
海底ケーブル敷設 | 海上 |
ダム・堰堤建設 | 河川、湖沼 |
橋梁建設 | 河川、湖沼、海上 |
上記以外にも、様々な海洋土木工事の情報が公開されています。
※海洋土木の仕事内容と魅力については「海洋土木とは?魅力や仕事内容、資格の種類を解説」も併せてご覧ください。
実際に現場で使われる安全装置10選
海洋土木工事の現場は危険と隣り合わせにあります。安全に作業を進めるためには、適切な安全装備が欠かせません。
ここでは、現場で必須となる安全装備10選と、それぞれの役割や重要性、選び方のポイントをご紹介します。

ライフジャケット(救命胴衣)
ライフジャケットは、落水時の生存率を飛躍的に高めるため、海上作業では必須の装備です。
国土交通省型式承認品のライフジャケットを選び、着用時のフィット感も確認しましょう。定期的な点検とメンテナンスも重要です。
ヘルメット
ヘルメットは落下物や衝突から頭部を守るため、工事に欠かせません。
あご紐をしっかり締め、作業内容に適した規格のヘルメットを選びましょう。飛来・落下物用、墜落時保護用の規格があります。
安全帯(フルハーネス型)
高所作業時の墜落を防ぎます。
フルハーネス型は身体への負担が少なく、より安全です。適切な装着方法を習得し、定期的な点検を欠かさず行いましょう。また、使用環境に適した耐荷重のものを選びましょう。
作業服(難燃・撥水加工)
火気や水、油汚れから身体を守ります。
難燃性、撥水性を備えた素材のものを選び、快適に作業を行えるようにしましょう。季節に合わせた素材選びも重要です。
安全靴(鋼芯入り)
足元への危険から守るために、鋼芯入りの安全靴を着用します。
つま先を保護する鋼製先芯入りのものを選びましょう。滑りにくい靴底も重要です。
手袋(耐切創・防水)
鋭利な物や海水、薬品などから手を保護します。
作業内容に合わせて、耐切創性、防水性、耐薬品性などを考慮して選びましょう。
防水型無線機(インカム)
インカムは、作業員同士の連絡に欠かせません。
防水機能付きを選び、緊急時にもスムーズな連絡が取れるようにしましょう。騒音環境下でもクリアな音声で通話できるものが理想的です。
ゴーグル・防塵メガネ
粉塵や飛沫から目を保護します。
作業内容に合わせて、適切なものを選びましょう。防塵メガネは粉塵から、ゴーグルは薬品飛沫などから目を守ります。
耳栓・防音ヘッドホン
騒音から聴覚を守ります。
装着感の良いものを選ぶことで、長時間の作業でも負担を軽減することができます。遮音性能の高いものを選びましょう。
呼吸用保護具
酸素欠乏や有害ガスが発生する可能性のある作業では、呼吸用保護具が必須です。
作業環境に適した適切な種類のマスクや呼吸器を選び、正しく使用しましょう。酸素濃度計と併用することで、より安全な作業環境を確保できます。
浚渫工法や海中工事に活躍をする安全装備
水深を確保し、船舶の安全な航行や洪水を防ぐことを目的とした「浚渫工事」や「海中工事」は、陸上工事とは異なる特殊な環境下で行われるため、作業員の安全確保にはより高度な安全装備が必要とされます。
水圧、視界不良、水中生物など、様々な危険要因から作業員を守るため、特殊な安全装備が開発され、現場で活用されています。
潜水作業における安全対策の重要性
潜水作業は危険を伴う作業であるため、作業前の綿密な計画、装備の点検、緊急時の対応手順の確認など、様々な対策を講じることで、安全な作業環境を構築することが重要になります。
浚渫工事における安全管理の徹底
浚渫工事においても、そのほかの工事と同様に適切な安全管理の徹底が不可欠です。作業員の安全教育、作業環境の整備、リスクアセスメントの実施など、多角的な取り組みを通じて、安全な作業環境を確立する必要があります。
※「浚渫工法」についての詳細は「浚渫工事とは?特徴や方法をご紹介します」も併せてご参照ください。
まとめ|安全に現場で作業をするために
海洋土木工事は、波や風、潮汐など自然の影響を大きく受ける特殊な環境で行われます。
そのため、作業員の安全確保は最優先事項であり、適切な安全装備の使用は欠かせません。この記事では、ライフジャケットやヘルメットといった基本的な装備から、防水型無線機や耐切創性の手袋など、海洋土木工事特有の装備まで、10種類の安全装備をご紹介しました。
これらの装備は、落水や転落、物体の落下、切創、騒音など、現場で起こりうる様々な危険から作業員を守ります。
ご紹介した安全装備は、浚渫工事や海中工事など、様々な海洋土木工事の現場で活用されています。これらの装備を正しく使用することで、作業員の安全を守るだけでなく、円滑な工事の進行につながります。
作業前に装備の点検を徹底し、作業中は常に安全を意識することで、事故を未然に防ぎましょう。安全は、一人ひとりの心がけから始まります。
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