2024-07-18
日本の洋上風力発電の取り組みのメリットとデメリットとは?

「洋上風力発電」と「海洋土木」の関係についてご存知ですか? 再生可能エネルギーのひとつである洋上風力発電が近年注目を集めていますが、海洋土木の技術は、洋上風力発電の開発に欠かせない技術です。そして、その関係は、地球の未来を支える可能性を秘めています。
洋上風力発電についての基礎知識、果たす役割、そのメリットとデメリット、洋上風力発電と海洋土木の関係について詳しく解説します。
この記事では以下のような内容をご紹介しています。
洋上風力発電とは
風力発電は、風の力で風車のプロペラを回転させることにより発電機をまわして発電します。洋上風力発電とは、この装置を洋上に作って発電することをいいます。
現在、風力発電は、陸上の沿岸部や山岳部の風の条件が良いところで稼働しています。日本国内には北海道や、東北エリアに多く建設されていますが、ほぼ全国にあります。
洋上風力発電の開発が進められているのには理由があります。洋上のほうが陸上よりも風が強く安定的に吹いていることや、景観を邪魔しないことや、騒音の問題が陸上よりも少ないといったことが挙げられます。
洋上風力発電は、CO2排出量の削減に大きく貢献できる再生可能エネルギーです。広大な海域を利用できるため、日本のエネルギー問題解決への期待も高まっています。
また、洋上風力発電は、近年地球温暖化対策やエネルギー安全保障の観点から、世界中で導入が進められている技術なのです。
洋上風力発電の種類
洋上風力発電は、風車を設置する方法によって、大きく着床式と浮体式の2つの種類に分けられます。
着床式
着床式洋上風力発電は、水深約50mまでの比較的浅い海域に風車を設置する方法です。海底に基礎部分を固定し、風車を支える構造となっています。
着床式洋上風力発電は、水深約50mまでの比較的浅い海域に風車を設置する方法です。海底に基礎部分を固定し、風車を支える構造となっています。比較的建設コストが低く、技術的にも確立されているため、現在主流となっている洋上風力発電です。
浮体式
浮体式洋上風力発電は、水深50m以上の深い海域に風車を設置する方法です。風車を海上に浮かべた浮体に設置し、海底と係留することで固定します。
深い海域でも設置が可能であるため、日本のような領海が広く、深い海域が多い国に適しています。着床式に比べて建設コストは高いですが、今後、技術開発が進むことでコストダウンが期待されています。
洋上風力発電と海洋土木の関係
洋上風力発電の建設には、海洋土木や海洋建設の技術が欠かせません。特に、着床式洋上風力発電では、海底の地盤調査、基礎の設計・施工、風車設置のための作業船の運航など、多くの工程で海洋土木の専門知識が求められます。具体的には、以下のような技術が挙げられます。
地盤調査
海底の地盤を調査し、風車の基礎を支えるのに十分な強度があるかどうかを調べます。
基礎設計・施工
調査結果に基づき、風車の基礎部分を設計・施工します。風車にかかる大きな荷重や波力に耐えられるよう、強固な基礎を構築する必要があります。
作業船運航
風車の建設には、大型のクレーン船や作業船が必要となります。これらの船舶を安全かつ効率的に運航するための技術が必要になります。
洋上風力発電のメリット
では、洋上風力発電には、どのようなメリットがあるのでしょうか。陸上風力発電と比較しても多くのメリットがあるとされています。以下に説明していきます。
豊富な風資源の活用
洋上は陸上に比べて風のエネルギー量が多く、安定しているため、より効率的に発電することができます。
一般的に風速が1m/s上昇すると、風力発電の出力が約1.6倍になるといわれています。また、海上は陸上に比べて突起物が少ないため、風がスムーズに流れることもメリットです。
大規模開発が可能
洋上では、陸上に比べて広大な土地を確保できるため、大規模な風力発電所を建設することができます。 大規模開発により、より多くの電力を供給することが可能となり、発電コストの低減にもつながります。
景観や騒音への影響が少ない
洋上風力発電は、陸地から離れた場所に建設されるため、景観や騒音への影響を最小限に抑えることができます。
洋上風力発電設備は、陸地から約5km以上離れた場所に設置されることが多く、陸地からの視認性が低いため、景観への影響は少ないとされています。また、海面は陸地に比べて音が伝わりにくいため、騒音の影響も軽減されます。
地域経済の活性化
洋上風力発電所の建設や運営は、地域経済の活性化に貢献します。 建設工事による雇用創出、風力発電設備の製造やメンテナンス関連産業の育成、発電所周辺地域への観光客誘致などが期待できます。
再生可能エネルギーの主力電源化
洋上風力発電は、太陽光発電と並んで、日本の再生可能エネルギーの主力電源となることが期待されています
日本は世界でも有数の風力発電の適地とされており、特に洋上風力発電のポテンシャルは非常に高いとされています。洋上風力発電の導入を積極的に進めることで、2050年カーボンニュートラルの実現に大きく貢献することができます。
電力系統の安定化
洋上風力発電は、他の再生可能エネルギーと比べて、風況の変動が予測しやすいため、電力系統の安定化に貢献することができます。
また、洋上風力発電は、電力需要の高い時間帯にも安定的に発電できるため、電力系統の調整力向上にも役立ちます。
洋上風力発電のデメリット
洋上風力発電には、多くのメリットがある一方で、デメリットも存在します。
建設コストが高い
洋上風力発電は、陸上に比べて建設コストが高額になる傾向があります。 これは、海上での建設工事の難しさや、風力発電設備の腐食対策など、特別な技術や設備が必要となるためです。
漁業との調整が必要
洋上風力発電所の建設は、漁業関係者との調整が必要となります。 漁場の利用制限や漁具への影響などが懸念されるため、事前の十分な協議や、漁業関係者への丁寧な説明が重要となります。
生態系への影響
洋上風力発電所の建設や運転は、海洋生態系に何らかの影響を与える可能性があります。 鳥類への衝突リスクや、騒音による海洋生物への影響などが懸念されるため、環境アセスメントの実施など、環境保全対策を適切に行う必要があります。
技術的な課題
洋上風力発電は、陸上風力発電と比べて、技術的に難しい面があります。 強風や高波、塩害など、厳しい自然環境に耐えられる風力発電設備の開発や、海底の地盤調査など、高度な技術が必要となります。
まとめ
この記事では、日本の未来を担う可能性を秘めた洋上風力発電と、その実現に欠かせない海洋土木技術について解説しました。
洋上風力発電は、CO2排出量の削減に大きく貢献できる再生可能エネルギーです。また、広大な海域を利用できるため、日本のエネルギー問題解決への期待も高まっています。
しかし、建設コストや環境影響評価など、克服すべき課題も存在します。今後、海洋土木技術のさらなる発展によって、これらの課題を解決し、洋上風力発電が日本のエネルギー供給の要となる未来が待っているかもしれません。
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