メインビジュアル

People 社員コラム 海洋建設のしごと

海洋土木工事の前に行われる、水中の事前調査について解説します

海洋土木工事では、事前に行われる事前調査というものがあります。この調査には工事の安全性と効率性を確保する大きな意義があります。

海底地形や地質、潮流、波浪など、海洋特有の条件を把握し、最適な工法や施工計画を立案する必要があるからです。

本記事では、海洋土木工事における水中の事前調査について、その目的や必要性、潜水士について解説します。

海洋土木工事に必要な工事の事前調査とは

海洋土木工事は、港湾や海岸、沖合などの海域で行われる建設工事です。海底トンネルや海底ケーブル、海上風力発電所、海洋資源開発施設、コンテナ船が着岸する岸壁など、私たちの生活に欠かせないインフラ整備に関わっています。

しかし、海洋工事は陸上とは異なる特殊な環境下で行われるため、工事の安全性と効率性を確保するためには、入念な事前調査が不可欠です。

海底地形や地質、潮流、波浪など、海洋特有の条件を把握し、最適な工法や施工計画を立案するためです。

これらの要因を把握し、安全で効率的な工事を進めるために、事前調査が不可欠です。以下では、事前測定と現地踏査について詳しく説明します。

事前調査とは?

事前調査は、工事の安全性を確保、コストの削減、海洋生態系に与えるリスクを減らすなどのために行われます。

事前調査を行うことで、不測の事態を避けることができます。例えば、地盤の問題や海流の影響を事前に把握しておくことで、設計変更や追加工事の必要性を最小限に抑えることで、工事全体のコストを削減することが可能です。

また、海底の地質や水深、海流の状況を正確に把握する必要があります。そうすることで潜在的なリスクを事前に特定します。事前調査を通じて、海洋生態系に与える影響を評価し、適切な対策を講じることもできます。

事前調査で行われる事前測定や分析

事前測定とは、工事計画の基盤を作る重要なプロセスです。これには、水深測定、海底地質調査、海流や波の分析が含まれます。これらの測定は、工事の安全性と効率性を確保するために欠かせないステップです。

水深測定

水深測定は、海洋土木工事における基本的なステップです。水深の浅い場所では、レッドと呼ばれるメモリが印字されたロープの専用の錘を取り付け、水面から海底まで1点1点測定し図面に反映させます。

水深の深い場所の広範囲の場所では、ソナーを使用して詳細な水深マップを作成し、工事の設計に役立てます。

ソナー技術は、水中での音波の反射を利用して海底の地形を詳細に描写することができます。これにより、工事区域の正確な水深を把握し、必要な機材や方法を選定することができます。

海底地質調査

海底地質調査は、海底の構造や土質を理解するために行われます。地質サンプリング機器を使用して海底からサンプルを採取し、分析を行います。

これにより、地盤の強度や安定性を評価し、構造物の設計に反映させます。海底地質の理解は、特に大規模な土木構造物を建設する際に重要です。

海流・波の分析

海流や波の動きは、海洋土木工事に大きな影響を与える要因です。データ解析ソフトウェアを使用して詳細な分析を行い、工事の安全性を確保するためのシミュレーションをすることで、最適な工事期間や方法を決定します。

海底調査状況
海底調査状況

現地踏査とは

現地踏査は、事前調査のあとに、実際の工事現場での詳細な調査を行うプロセスです。これは、工事の成功を左右する重要なステップであり、特に海洋土木工事では欠かせない工程です。

現地踏査には、潜水士が直接海底を訪れ、ビデオ撮影やサンプリングを行うことが含まれます。この調査により、海底の具体的な状況や土質を正確に把握し、工事計画に反映させることができます。

現地踏査の具体的手順

現地踏査の具体的な手順としては、

  1. 1. 準備段階:潜水士は必要な装備を整え、調査計画を確認
  2. 2. 潜水作業:潜水士が海底に降り、ビデオカメラで状況を記録
  3. 3. サンプリング:特定の地点で土壌や生物を採取
  4. 4. データ収集:現場に戻り、収集したデータを分析
  5. 5. 報告書作成:調査結果を基に報告書を作成し、工事計画に反映

事前調査における潜水士の役割

潜水士は特殊な装備を使って海底に潜り、ビデオカメラを使用して状況を記録します。これにより、地上では確認できない細かな部分まで把握することが可能となります。

また、潜水士はサンプリング機器を用いて海底の土壌や生物を採取し、後で詳細な分析を行います。潜水士の経験と技術は、正確な調査結果を得るために不可欠です。

潜水士の主な仕事には、海洋インフラに関わる港湾工事のほか、洋上の風力発電を含む海洋開発に関わる土木工事があります。また、海洋調査のための調査潜水や海難のための捜索や救助といった仕事もあります。

潜水士は、その労働環境を改善しつつあり、潜水士の労働時間は厳守されるなど、管理が徹底されてきています。今後潜水士はより魅力ある職業のひとつとなってゆくでしょう。

まとめ

事前調査は、海洋土木工事の成功に欠かせないステップです。水深測定や海底地質調査、海流・波の分析など、さまざまな調査が行われることで、工事計画がより正確に立てられます。

潜水士による現地踏査は、詳細な測定や分析、現地踏査を通じて、工事の安全性と効率性を確保し、環境への影響を最小限に抑えることができます。

海洋土木工事は、インフラ整備を支える重要な役割を果たしており、働く人々にとって大きな達成感とやりがいをもたらします。この分野での経験は、技術者としてのスキルを磨き、キャリアを築く上で大きな財産となるでしょう。

海洋土木に興味がある方や、潜水士に興味のある方は、ぜひ挑戦してみてください。新しい可能性を見つけることができるはずです。

一覧ページへ

私たち東⽇本海洋建設は、これからの⽇本の国⼟を⽀えてくれる、チャレンジ精神溢れる⼈材を求めています。若⼿が闊達に意⾒を述べ、ベテランとの相乗効果を発揮して、技術⼒を⾼め、信頼を得られる仕事を続けていく、それが当社の理想であり、その姿が今社⾵として根付いてきています。

⾃分の気持ちを表現すると同時に⼈の話も聞ける⼈、双⽅の⽴場に⽴って、互いの意⾒を調整することにやりがいを感じられる⼈、そして、相⼿のためにやったことが⾃らのためになると信じて前に進んでいける⼈──そんな⼈たちからのご応募をお待ちしています。

⼀緒に、⽇本の未来を⽀えていきましょう。

東日本海洋建設 採用情報

Works

Works

インフラ整備を専門技術で支える
都市環境創造カンパニー
東日本海洋建設

実績一覧はこちら