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People 社員コラム 海洋建設の工法・技術

「小型移動式クレーンと玉掛けとは?技能講習について紹介」

小型移動式クレーンとは?

小型移動式クレーンとは、つり上げ荷重1トン以上5トン未満の移動式クレーンのことです。工事現場や港湾などで頻繁に見かける建設機械の一種であり、 重量物の吊り上げや移動に用いられます。一般的なクレーンとは異なり、小型であるため、工事現場、倉庫、港湾など、狭い空間での作業を容易に行うことができるため、 建築、製造、輸送業界において、その効率性と柔軟性から、重要な役割を果たしています。特に都市部の建築現場や商業施設での作業で活躍しています。 さらに、ガソリンやディーゼル燃料で動作するため、電源が不要です。

しかし、その運用には特別な訓練と知識が必要となるため、クレーン運転士は「移動式クレーン運転士免許」または「小型移動式クレーン運転技能講習」を取得する必要があります。 この資格取得は、機器の安全な操作と事故防止を保証するために、1990年の労働安全衛生法一部改正により定められました。

玉掛けとは?

ラフタークレーンでの玉掛の様子
ラフタークレーンでの玉掛の様子
吊り荷から吊具を外すのも「玉掛」の資格が必要です
吊り荷から吊具を外すのも「玉掛」の資格が必要です

「玉掛け(たまかけ)」とは、クレーンを使用して作業を行う際に、クレーンのフックに吊り荷を掛けたり外したりする作業のことを指します。 玉掛け業務には資格が必要であり、誰でもできる簡単な作業ではありません。重量物や大きな荷物をクレーンで吊り上げる際には、適切な方法で行わないと重大な事故につながる可能性があります。 そのため、労働安全衛生法に基づく国家資格を取得することが義務づけられています。

玉掛けの作業が必要な場所は、クレーンを使う工場や倉庫、工事現場など、製造・物流・建設業の現場が中心です。これらの現場では、重い資材や荷物を上げ下ろす必要があり、玉掛けの作業が欠かせません。 作業中はクレーン運転手や他の作業員と連携し、チームワークで安全を確保する必要があります。

玉掛けの作業には、ワイヤーロープやスリングなどの吊り荷に使用する用具や縦吊り・横吊り用クランプやハッカーなどの固定金具が一般的に使用されます。 使用する用具や方法は、荷物の重さや大きさ、形状などに応じて使い分けます。

具体的な玉掛けの仕事内容は、以下の手順で進められます。

  • 吊り荷にワイヤーロープを掛けてクレーンを呼ぶ。またはクレーンを呼んでから吊り荷にワイヤー ロープを掛ける。
  • フックに荷物を吊り下げて安全を確認する。
  • クレーンを持ち上げる合図をする。
  • 介錯ロープで誘導する。
  • 吊り荷を降ろし・荷解きする。

玉掛けの資格には2種類あり、使用するクレーンの制限荷重が1トン未満と1トン以上のものに分けられます。1トン未満の玉掛けには「玉掛け特別教育」の取得が推奨されます。 1トン以上の玉掛けには「玉掛け技能講習」の取得が義務付けられています。

「玉掛け特別教育」は、2日間の講習を受けることで取得することができます。「玉掛け技能講習」は、3日間の講習と試験に合格することで取得することができます。

玉掛け作業者は、製造業、建設業、物流業などさまざまな業種の現場で活躍しているため、玉掛けの資格を取得することで、就職や転職の際に有利な立場になるだけでなく、キャリアアップにもつながります。 また、玉掛け作業者には、クレーン運転者や他の作業員との連携力、注意力、危険察知力、慎重さなどが求められます。そのため、周囲の安全確認や現場の状況を把握しながら、チームで作業を進めることが重要です。

玉掛けはクレーン業務に欠かせない役割であるため、資格を取得することで、活躍できる場が広がることでしょう。

・玉掛け業務従事者安全衛生教育とは?

玉掛け業務従事者安全衛生教育は、「玉掛け技能講習」を修了後、おおむね5年経過した方や業務から一定期間離れて、再び当該の業務に従事する方を対象に行われる教育です。 この教育は、労働安全衛生法に基づく安全衛生教育指針によって定められています。

この教育の目的は、クレーンや移動式クレーンの多様化や高度化、新しい玉掛け用具の導入など、時代の変化に対応しながら、安全な作業方法や正しい玉掛けの方法についての知識を従事者に身に付けさせることにあります。 具体的な講習内容は、ワイヤーロープ、チェーン、繊維ロープ、ベルトスリング、フック、シャックル、モッコ、アイボルトなどの玉掛け用具の種類や使用方法について学びます。

この教育は、労働者の安全を確保するための重要な取り組みであり、建設事業主に対しては助成金制度の対象となります。事業主は、労働者に対して一定期間(おおむね5年)ごとに再教育を実施することが求められています。 玉掛け業務に従事する労働者が、常に最新の安全情報や技術を習得し、安全な作業環境を確保するために、玉掛け業務従事者安全衛生教育を受講することが重要です。

玉掛け業務従事者安全衛生教育
イラスト参照元:
玉掛け業務従事者安全衛生教育 | コベルコ教習所

玉掛け業務従事者安全衛生教育は、「玉掛け技能講習」を修了後、おおむね5年経過した方や業務から一定期間離れて、再び当該の業務に従事する方を対象に行われる教育です。


講習内容や費用は?

小型移動式クレーンと玉掛けは、安全かつ効率的な作業を行うために必要な技能です。ここでは、それぞれの講習について詳しく解説いたします。

・小型移動式クレーンの講習内容と費用について

小型移動式クレーンの講習では、18歳以上の方が対象となります。通常、3日間の講習が行われます。学科試験と実技試験に合格すれば、小型移動式クレーンの資格を取得することができます。ただし、他の資格を既に持っている方は、一部の科目が免除される場合があります。受講料は免除条件によって異なります。

・玉掛けの講習内容と費用について

玉掛けの講習では、1トン未満の場合は特別教育、1トン以上の場合は技能講習が必要です。技能講習では、学科講習と実技講習が行われます一般的には3日間の講習で取得することができます。 特別教育の場合は、学科講習が5時間、実技講習が4時間で行われることが一般的です。

・技能講習の科目免除について

技能講習を受講する際、小型移動式クレーン運転技能講習と玉掛け技能講習の関係性についても解説します。

「小型移動式クレーン運転技能講習」を受講する場合、玉掛け技能講習を修了している方は「力学に関する知識」と「小型移動式クレーン運転のための合図」の科目が免除されます。 一方、「玉掛け技能講習」を受講する場合、小型移動式クレーン運転技能講習を修了している方は「力学に関する知識」と「運転のための合図」の科目が免除されます。

どちらかの講習を修了している場合、一部の科目が免除されます。これにより、吊り荷の運搬・玉掛けなどが、必要な現場で効率的に講習を受講することができるので、 保有している免許や修了した講習を確認して受講するとよいでしょう。

両方の資格を取得してキャリアアップ!

玉掛けは、クレーン作業の現場において欠かせない存在です。その役割の重要性から、玉掛け作業者は求められる需要が高く、勤続年数や経験を積むほど年収が上昇する傾向にあります。 玉掛け作業者は、製造業、建設業、物流業など、さまざまな業種の現場で活躍しています。クレーン作業が必要な現場なら、どの業種でも玉掛けのスキルは求められるため、就職や転職の際に有利なポジションを狙うことができます。

しかし、さらにキャリアを築きたいなら、玉掛けとクレーン運転の両方の資格を取得し、自身のスキルを高めることで、より専門性の高いポジションを目指すことができます。 クレーン業務のスペシャリストになることで、キャリアアップと収入アップを実現することができます。

クレーン作業の現場では、玉掛け作業者とクレーン運転者の連携が重要となります。 玉掛け作業者がクレーンの種類や特徴、安全装置などについて理解しておくことで、より円滑な作業が可能となります。その結果、クレーン業務のスペシャリストとして認められ、キャリアアップと収入アップにつなげることができるでしょう。また、現場の安全確保やチームワークの重要性にも対応できるため、さまざまな職場で求められる存在となるでしょう。

まとめ

小型移動式クレーンと玉掛けは、安全かつ効率的な作業を行うために重要な技能です。「小型移動式クレーン運転技能講習」と「玉掛け技能講習」を受講することで、現場での作業に必要な資格を取得することができます。 「小型移動式クレーン運転技能講習」では、学科と実技の講習を受けて合格すれば資格を取得することができ、「玉掛け技能講習」では、特別教育や技能講習を受けて学科試験と実技試験に合格する必要があります。 両方の資格を取得することで、クレーン業務のスペシャリストとしてキャリアアップし、収入もアップさせることができます。

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