2024-05-27
ハイブリッドケーソンを用いたケーソン工法とは?
海洋土木の現場で使われる、護岸や防波堤の基礎となるハイブリッドケーソンというものをご存知ですか?ハイブリッドケーソンは、大きな構造物でありますが、その役割や利用価値が高く、最近の主流となっています。
このハイブリッドケーソンを利用したケーソン工法とともに、ハイブリッドケーソンの魅力について解説しますので、ぜひご一読ください。
この記事では以下のような内容をご紹介しています。
ケーソンとは
ケーソンは内部が中空の鉄筋コンクリート製の巨大な箱型構造物で、防波堤や橋梁の基礎、海上空港やトンネルの建設などで用いられます。近年は鋼とコンクリートを複合することで、経済性と施工性を高めたハイブリッドケーソンが主流になってきています
ハイブリッドケーソンとは
ハイブリッドケーソンは、ケーソンの一種で、鋼とコンクリートで構成された大きな合成構造物です。一般的なハイブリッドケーソンは、外壁、隔壁、フーチングという、T字を逆さまにしたような形の断面の形状の、鉄筋コンクリートにより作られた基礎から成ります。
その大きさは、海岸の岸壁の本体構造などになるものなので、例えば高さ20メートル×幅20メートル×奥行きが10メートルもある、巨大な建造物となります。
ハイブリッドケーソンの特徴のひとつは、底部であるフーチングが大きく張り出すことが可能であることです。これは、水面を水平に保ち、地盤の支持力を高めることに有効です。さらに、ハイブリッドケーソンは軽量で、本体が沈む深さが低く、ケーソンを横に長く作ることを可能にしています。
また、コンクリート工事の省力化や、現地での急速施工も可能です。様々な形状にも容易に対応することも可能であるという、さまざまな利点があるのが特徴です。
では、そのハイブリッドケーソンは、どのようにつくられているのでしょうか。
ハイブリッドケーソンができるまで
ハイブリッドケーソンは、その大きな構造物になるまでに、外壁、隔壁、フーチングをそれぞれ作ってから組み合わせてひとつのケーソンとなります。
鋼殻部分とコンクリート部分をそれぞれ作って合わせて完成させる大掛かりな工程です。
通常のコンクリートだけの区造物に比べ、同じ厚さではより強度があります。軽量化も図っています。フーチングが大きく張り出すことが可能な設計は、底面の設置に関して合理的な機能が得られます。
鋼殻部分の組み立て
まず、鋼殻部分の材料を切断し、外壁・隔壁パネルの製作をします。その後、フーチング製作が行われ、底部(フーチング)ブロック製作も行われます。部品が出来上がると、外壁・隔壁パネルを建込み、ブロックを形成して、さらに鋼殻部分を全て組み合わせて完成となります。
コンクリート部分の組み立て
コンクリート部分では、まず定盤製作という精密な寸法測定を行います。次に、底版部背筋鋼殻設置、底部背筋と呼ばれる、配置を決める作業を経て、コンクリート打設というコンクリートを型に流し込む作業を行います。さらに、外壁部の背筋と型枠も決め、コンクリート打設を行います。
そして、鋼殻部分とコンクリート部分を合わせて組み立て、ハイブリッドケーソンがついに完成します。
こういった、ハイブリッドケーソンなどを使用して行われるケーソン工法はどんなものなのでしょうか。
ケーソン工法とは
ケーソン工法とは、岸壁や防波堤、護岸などの工事で用いられる基礎工法のひとつです。ケーソンという箱型の構造物を所定の支持地盤へ設置し、構築する工法です。
ケーソンをクレーンや起重機船を使って正確な位置に沈め、内部にコンクリートや砂を詰めて安定させて固定します。
ケーソンを連続的に設置することで海底トンネルをつくることも可能です。海洋で使用されるケーソンは、設置ケーソンとも呼ばれ、陸上で用いるものとは区別されます。
製作においては、環境対策も重要な課題となっており、環境保全に対する技術革新に務めるとともに、環境にやさしい施工が海洋土木の現場では求められています。
弊社では、環境に配慮したやさしい施工をモットーにして日々取り組んでおります。
ハイブリッドケーソンを用いたケーソン工法の施工例
ハイブリッドケーソンは、実際の海洋土木の現場では、どのように使用されているのでしょうか。施工例をご紹介します。
ケーソン工法の実例
東日本海洋建設は、さまざまな場所でケーソン工法を用いた実績があります。
例えば、川崎市東扇島では、2019年にケーソンを使用して防波堤の基礎を構築しました。この工事により、地域の海岸線が強化され、港湾施設の安全性が向上しました。
また、茨城県ひたちなか次期処分場では、2016年にケーソンを使用して廃棄物処分場の基礎を構築しました。これにより、安全かつ効率的な廃棄物処理が可能となりました。
さらに、神奈川県真鶴港沖防波堤では、2015年にケーソン工法を用いて防波堤を強化し、港湾施設の耐久性と安全性を大幅に向上させました。
ケーソン工法の弊社の工法・技術についてはこちらのページもご参照ください。 https://www.hnkk.co.jp/expertise/
まとめ
ケーソン工法は、鉄筋コンクリートを用いた、岸壁や防波堤の基礎を作る工法です。特に最近では、鋼とコンクリートを複合することで、経済性と施工性を高めたハイブリッドケーソンが主流になってきています。
通常のコンクリートだけの構造物に比べ、同じ厚さではより強度があります。軽量化も図っています。フーチングが大きく張り出すことが可能な設計は、底面の設置に関して合理的な機能が得られます。
ケーソン工法は、岸壁や防波堤、護岸などの工事で用いられる基礎工法のひとつで、ケーソンの製造、輸送、設置、安定化といった一連の工程があります。
東日本海洋建設は、さまざまな場所でケーソン工法を用いた実績がありますが、製作においては、環境対策も重要な課題となっており、環境保全に対する技術革新に務めるとともに、環境にやさしい施工をモットーにして励んでいます。
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