メインビジュアル

People 社員コラム 海洋建設のしごと

橋梁工事とは|種類や施工方法を紹介

橋梁(きょうりょう)とは、河川、渓谷、道路、線路などを跨ぐために架けられた構造物のことで、一般的に「橋」と言われるものの総称を意味します。

橋梁は私たちの生活に欠かせないインフラであり、その工事は高度な技術と緻密な計画に基づいて行われます。

そこで今回は、橋梁工事の種類や施工方法について解説すると共に、その手順や役割についても解説いたします。また、橋梁の基礎知識や有名な橋梁については、こちらの記事「橋梁の構造、種類、基礎知識について」を併せてご覧ください。

この記事を読むことで、橋梁工事を理解し、海洋建設業界への関心を深めるきっかけになれば幸いです。

橋梁工事とは?どんな役割がある?

橋梁工事とは、人や車が通行するための橋を建設したり改修・補強を行なったりする工事のことです。

橋梁は、河川や渓谷、道路、線路などを跨ぐために不可欠なものであるため、橋梁工事を安全かつ効率的に行うことは、私たちの生活や経済活動の維持・発展に大きく貢献しています。

橋梁工事
橋梁工事

橋梁の構造について

橋梁は、上部構造、下部構造、基礎構造の3つの主要な部分から構成されています。

構造 説明
上部構造 橋桁や床版など、実際に人や車が通行する部分。 桁橋、アーチ橋、吊橋など
下部構造 橋台や橋脚など、上部構造を支える部分。 橋台、橋脚
基礎構造 下部構造を支え、地盤に荷重を伝える部分。 杭基礎、直接基礎

橋梁の役割

橋梁は、人や車の移動をスムーズにするだけでなく、様々な役割を担っています。

  • 交通の円滑化
  • 災害時の避難路確保
  • 地域開発の促進
  • 景観形成
上記のように、橋梁は社会基盤として重要な役割を担っており、その建設・維持管理は、私たちの生活に欠かせないものとなっています。

橋梁工事の種類

橋梁工事には、架設する橋の種類や場所、工期、費用など様々な条件によって最適な工法が選択されます。

ここでは代表的な橋梁工事の種類をいくつかご紹介します。

ベント工法

ベント工法は、橋桁を橋軸方向に押し出す工法です。

地上交通への影響を最小限に抑えたい場合に適しています。比較的小規模な橋梁から長大橋梁まで幅広く適用が可能です。

※橋桁(はしげた)とは・・・車両や歩行者が通行するための水平な部分。材料には鋼、コンクリート、木材などが用いられます。

送り出し工法

送り出し工法は、流水部や鉄道等、桁下にトラッククレーンが設置できない場合に橋桁を製作ヤードで製作し、それを橋軸方向に送り出すことで架設する工法です。

これは、長大橋梁の建設に適しており、特に峡谷や河川など、桁下へのアクセスが困難な場所に適しています。送り出し工法には、桁を水平方向に送り出す「水平送り出し工法」と斜めに送り出す「斜材送り出し工法」があります。

ケーソン工法

ケーソン工法は、水中や軟弱地盤に橋脚を構築する際に用いられる工法です。

巨大な鉄筋コンクリート製の箱(ケーソン)を沈設し、その内部を掘削しながら地盤に支持させることで、安定した橋脚基礎を築造することができます。ケーソン工法は、大水深や複雑な地盤といった、制約された条件のもとでも適用が可能なため、大型橋梁の建設に欠かせない工法となっています。

施工例はこちらをご覧ください。

ケーソン工法
ケーソン工法

その他の工法

その他にも様々な橋梁工法が存在します。

  • フローティングクレーン工法
  • トラベラークレーンベント工法
  • ケーブルエレクション工法

それぞれの工法には、メリット・デメリットがあり、橋梁の規模や立地条件、工期、費用など様々な要素を考慮して最適な工法を選択します。安全で効率的な橋梁建設には、専門家による綿密な検討が必要になります。

以下の表に、工法ごとのメリット・デメリットや適用例についてまとめました。

工法 概要 メリット デメリット 適用例
ベント工法 橋桁を橋軸方向に押し出す 工期短縮、コスト削減、地上交通への影響が少ない 桁下空間が必要 中小規模の橋梁、長大橋梁
送り出し工法 橋桁を製作ヤードで製作し、橋軸方向に送り出す 峡谷や河川などアクセス困難な場所に有効 高度な施工管理が必要 長大橋梁
ケーソン工法 水中や軟弱地盤に橋脚を構築 大水深や複雑な地盤条件下でも適用可能 工期が長い、コストが高い 大型橋梁
フローティングクレーン工法 大型クレーン船で橋桁を吊り上げて架設 工期短縮、地上交通への影響が少ない 水域でのみ適用可能 海上や河川における橋梁
トラベラークレーンベント工法 移動式クレーンで橋桁を架設 曲線橋や斜張橋に有効 大型のクレーンが必要 長大橋梁
ケーブルエレクション工法 ケーブルで橋桁を吊り上げて架設 吊橋や斜張橋に有効 高強度のケーブルと精緻な架設技術が必要 吊橋、斜張橋

橋梁工事の施工方法と手順

橋梁工事は、橋の種類や規模、架設場所の状況、工期、費用など様々な要因によって最適な施工方法が選択されます。

施工方法は大きく分けて、橋桁を工場で製作して現地で架設する「プレキャスト工法」と、現地で橋桁を直接構築する「場所打ち工法」の2種類があります。

プレキャスト工法

プレキャスト工法は、工場で製作した橋桁を現地に運搬し、架設する方法です。品質管理が容易で工期短縮にも繋がるため、近年主流となっています。

場所打ち工法

場所打ち工法は、橋桁を架設現場で直接構築する方法です。地形や地質条件に合わせた柔軟な対応が可能です。

一般的な橋梁工事の手順

橋梁工事は、橋の種類や施工方法によって手順が異なりますが、一般的な流れは以下の通りです。

工程 内容
測量・調査 架橋地点の地質や地形、周辺環境などを調査します。
設計 調査結果に基づき、橋梁の構造や形状、施工方法などを設計します。
基礎工事 橋脚や橋台の基礎を構築します。ケーソン工法や杭基礎工法などが用いられます。
下部構造工事 橋脚や橋台を構築します。
上部構造工事 橋桁を架設します。プレキャスト工法や場所打ち工法などが用いられます。
舗装・付属物設置 橋面舗装や欄干、照明などの付属物を設置します。
検査 完成した橋梁の安全性や耐久性を検査します。
これらの工程は、相互に関連し合いながら進められます。各工程で適切な施工管理を行うことで、安全で高品質な橋梁を構築することが可能になります。

まとめ

この記事では、橋梁工事について解説しました。

橋梁工事には、様々な種類と工法があり、橋の規模や立地条件、周辺環境などに合わせて最適な工法が選択されます。

橋梁工事の施工は、綿密な計画と高度な技術を要するため、複雑なプロセスで行われます。測量や地盤調査から始まり、基礎工事、橋桁の架設、床版の設置、舗装工事など、多くの工程を経て橋梁が完成します。

安全かつ確実に工事を進めるためには、経験豊富な技術者による適切な施工管理が不可欠です。

橋梁は、人や車の移動をスムーズにするだけでなく、物流や経済活動の活性化にも大きく貢献しているため、私たちの生活において欠かせないものです。そのため、橋梁工事は、それらの役割を維持するために欠かせないものであることをご理解いただけたと思います。

この記事が、橋梁工事への理解を深める一歩となれば幸いです。

一覧ページへ

私たち東⽇本海洋建設は、これからの⽇本の国⼟を⽀えてくれる、チャレンジ精神溢れる⼈材を求めています。若⼿が闊達に意⾒を述べ、ベテランとの相乗効果を発揮して、技術⼒を⾼め、信頼を得られる仕事を続けていく、それが当社の理想であり、その姿が今社⾵として根付いてきています。

⾃分の気持ちを表現すると同時に⼈の話も聞ける⼈、双⽅の⽴場に⽴って、互いの意⾒を調整することにやりがいを感じられる⼈、そして、相⼿のためにやったことが⾃らのためになると信じて前に進んでいける⼈──そんな⼈たちからのご応募をお待ちしています。

⼀緒に、⽇本の未来を⽀えていきましょう。

東日本海洋建設 採用情報

Works

Works

インフラ整備を専門技術で支える
都市環境創造カンパニー
東日本海洋建設

実績一覧はこちら