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送気員とは?救急再圧員との違いと資格取得方法

海洋土木の仕事に欠かせない潜水作業ですが、その際、従業員の安全は「送気員」にかかっていると言っても過言ではありません。

この記事では、送気員の役割や重要性と救急再圧員との違いについて解説すると共に、送気員に必要な資格の取得方法や講習内容、費用、期間についてもご紹介します。

潜水士からキャリアアップしたい方や送気員を目指している方、潜水作業に興味のある方は、ぜひ参考にしてください。潜水作業における安全管理の重要性を改めて理解し、より安全な作業環境の構築に貢献できる知識を身につけましょう。

※救急再圧員については「救急再圧員とは?資格取得講習について」「救急再圧員の仕事|資格取得講習の内容と今後の活躍」をご覧ください。

送気員とは?

送気員とは、潜水作業を行う潜水士に対して、水面から空気を供給する役割を担う人のことです。潜水士は水中で呼吸をすることができないため、送気員が空気を送り続けることで安全な潜水作業を行うことができます。
送気員は、単に空気を送るだけでなく、緊急時には適切な対応をとる必要があります。まさに潜水士の安全を守る管理者の一人になります。

潜水作業は様々な環境で行われるため、天候や海況の変化にも柔軟に対応できる能力と、潜水士と地上をつなぐ責任感と集中力が求められます。
送気作業は一見シンプルに見えますが、潜水士の安全を左右する重要な任務であり、専門的な知識と技術が求められる職業なのです。

送気員はどんな時に役に立つ?

送気員は、様々な潜水作業において必要とされます。
例えば、港湾工事や海底ケーブルの敷設、ダムの点検、漁業、海洋調査など、水中で行われる作業のほとんどで送気員が活躍しています。
具体的には、以下のような場面で送気員のサポートが必要となります。

作業内容 送気員の役割
港湾工事 岸壁や防波堤の建設・補修作業を行う潜水士に空気を供給し、安全を確保する。
海底ケーブル敷設 海底に通信ケーブルを敷設する潜水士に空気を供給し、作業をサポートする。
ダムの点検 ダムの壁面や底部の点検を行う潜水士に空気を供給し、安全な作業環境を維持する。
漁業 アワビやサザエなどの貝類を採取する潜水漁師に空気を供給し、潜水作業を支援する。
海洋調査 海底の地形や生物を調査する潜水士に空気を供給し、調査活動をサポートする。

これらの作業以外にも、水中での捜索活動や救助活動など、緊急時にも送気員の活躍が期待されます。送気員は、潜水士の安全を守り、様々な水中作業を支える重要な存在と言えるでしょう。

送気員の重要性

空気供給装置の異常を早期に発見し対応することや空気の送気が緊急停止した時の潜水士への対応や吸気口からの排気ガスの混入を未然に防ぐ対策、また潜水士が潜水事故にあった場合の水難救助など、迅速に状況を判断して適切な行動を起こすことが大事です。
具体的には、以下の様な場面で送気員の役割が重要になります。

  • 港湾工事や海洋調査など、潜水士が水中で作業を行うあらゆる場面
  • 深い深度での潜水作業を行う場面
  • 水難救助など、緊急を要する状況
  • レジャーダイビングなど、趣味の範囲でも安全確保のために送気員を配置することが推奨される場合があります

送気員と救急再圧員の違いは?

送気員と救急再圧員は、どちらも潜水作業の安全に関わる重要な役割を担いますが、その任務範囲や資格要件は大きく異なります。資格、役割、必要な知識・技能の3つの観点から、両者の違いを整理してみましょう。

項目 送気員 救急再圧員
資格 送気員 潜水士、救急再圧員
役割 潜水作業を行う潜水士に対して、新鮮な空気を供給する。空気供給装置(エアーコンプレッサー)の運転状況の確認、必要な空気圧力の確認を常に行い、異常発生時には迅速に対応する。 潜水士が潜水病(減圧症)などの潜水病などの潜水障害が発生した時に再圧室での治療を行う際、医療機関と連絡を取り合い再圧タンクのバルブやコックを操作する。潜水医学に関する専門知識が必要。
必要な知識・技能 送気装置の操作や潜水作業に関する基礎知識、緊急時の対応手順など。 潜水生理学、潜水病の処置、再圧タンクの操作、救急救命処置など。

送気員の資格取得方法について

送気員になるためには、専門的な知識と技術が必要なため、労働安全衛生法に基づく「送気員特別教育」を修了しなければなりません。送気員特別教育は、潜水士の資格とは異なり、送気業務に特化した資格です。
この講習は、修了することで送気員の資格を取得することができます。

送気員特別教育を受講することで、必要な知識と技能を習得し、安全な潜水作業に貢献することができます。

送気員講習を修了する

送気員特別教育は、「学科講習」と「実技講習」から構成されています。講習時間は、学科が11時間、実技が2時間、合計13時間です。講習内容は、潜水業務に関する知識や送気装置の操作方法、緊急時の対応など多岐にわたります。

実技と学科を受ける

「学科講習」では、潜水業務に関する知識、送気に関すること、高気圧障害の知識に関すること、関係法令などを学びます。

「実技講習」では、送気バルブの操作や送気調節の実技などを実際に体験しながら習得します。また、実際に送気装置を使用することにより実践的に学ぶことができます。

送気バルブの操作や送気調節の実技とは?

送気バルブや送気調節は、潜水士に空気を送るための重要な装置です。潜水士に安定した空気を供給するために、これらのバルブを適切に操作して安全な潜水作業をサポートします。潜水士の生命線とも言える重要な作業であり、送気員にとって必須のスキルとなります。

そのため「送気員特別拠育」の実技講習では、送気バルブの操作方法や送気調節のことを重点的に学びます。具体的には、送気圧力の調整、送気量の調整、緊急時のバルブ操作、圧力ゲージの見方、逆止弁装置の確認方法などを習得するほか、装置の種類や特性についても学び、状況に応じた適切な操作方法を理解することが重要になります。

費用や講習期間について

送気員特別教育の費用や期間は、教習機関によって異なります。費用は、おおむね3万円~4万円程度で、期間は教習機関のスケジュールによって異なりますが、おおむね2日間です。

項目 内容
講習時間 学科11時間、実技2時間、合計13時間
費用 3万円程度(教習機関により異なる)
期間 2日間(教習機関により異なる)
受講資格 特に無し

受講資格は特にありませんが、潜水業務に興味があり、責任感を持って業務に取り組める方が望ましいです。また、健康状態が良好であることも重要です。

まとめ

本記事では、「送気員」の役割や救急再圧員との違いから、資格取得方法まで解説しました。潜水作業は危険を伴う作業であるため、送気員は潜水士の安全を守る重要な役割を担っており、常に冷静な判断と的確な行動が求められます。そのため、専門的な知識と技術が必要とされる職種です。

送気員の資格を取得するには、送気員講習を受講し、実技と学科の試験に合格する必要があります。講習では、送気バルブの操作方法など、実践的な技術を学ぶことができますが、費用や講習期間は各機関によって異なるので、事前に確認しておきましょう。

送気員は、港湾工事や海洋開発など、様々な現場で活躍できる資格です!潜水士を支える重要な役割を担う送気員として、活躍の場を広げてみてはいかがでしょうか。

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