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護岸工事とは?メリットや海への影響と今後の課題について解説

「護岸工事」とは、どのような目的で行われる工事なのかご存知ですか?「護岸」とは、河川や海岸、湖沼などの水際を保護するための構造物を指します。

つまり、護岸工事とは、波や流水の侵食を防ぐために護岸を築造・改修する工事を意味します。そのため、護岸工事は、私たちの生活を守るという重要な役割を担っているのです。

この記事では、護岸工事の基礎知識やメリットだけでなく、環境への影響や今後の課題、さらに将来性まで解説していきます。

護岸工事の施工方法や種類については「護岸とは?護岸工事の施工方法をご紹介!」をご参照ください。

護岸工事の種類と施工方法

波や流水の侵食から、堤防や陸地を守るために行われる護岸工事。私たちの生活や財産を守る上で非常に重要な役割を担っています。護岸工事には、使用する材料や工法によって様々な種類があります。植生護岸や土嚢護岸など、自然環境に配慮した工法も採用されています。護岸工事を行う際は、それぞれの特性を理解し、適切な工法を選択することが重要です。詳しい施工方法や手順について知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

護岸工事によるメリットと海への影響と課題

護岸工事は、波や流水の侵食を防ぎ、人々の生活を守るという重要な役割を果たしています。

しかし、一方で海の環境に影響を与える面もあります。ここでは、護岸工事のメリットと共に、海に与える影響と今後の課題について解説していきます。

護岸工事のメリット

護岸工事は、私たちの生活に様々なメリットをもたらしています。主なメリットは以下の通りです。

  • 防災・減災:高潮や津波、波浪による被害を軽減し、人々の生命と財産を守ります。
  • 国土保全:海岸線の侵食を防ぎ、陸地の消失を防ぎます。
  • 生活基盤の保全:港湾施設や臨海工業地帯などを守り、経済活動を支えます。
  • 生活環境の改善:護岸により安全な水辺空間が創出され、レクリエーションの場として利用することができます。
これらの恩恵を受けられるよう、環境への影響を最小限に抑えながら護岸工事の技術開発や維持管理を進めていくことが重要です。

護岸工事の重要性と将来性

護岸工事の重要性は?

護岸は、波の力を弱め、海岸線の浸食を防ぎ、内陸部への被害を軽減させる効果があります。そのため、護岸工事は、台風や高潮などの自然災害から、私たちの生命や財産を守るための防災措置としての役割があります。

さらに、近年では、地球温暖化の影響により、海面上昇や異常気象の発生頻度が増加しており、護岸工事の重要性はますます高まっています。

また、護岸工事は、港湾施設や漁港の整備にも不可欠です。これらの施設は、物流や漁業を支える重要なインフラであり、護岸によって安定した利用が可能になります。

さらに、護岸は、美しい景観を保全する役割も担っています。適切に設計・施工された護岸は、自然環境との調和を図りながら、快適な水辺空間を創ります。

護岸工事の将来性

護岸工事は、将来に向けてもその重要性を増していくと考えられます

地球温暖化による海面上昇や気候変動の影響が深刻化する中、より強固で多機能な護岸の整備が求められています。

従来のコンクリート構造物だけでなく、自然環境との調和を重視したエコ護岸や、地域住民のニーズを取り入れた多自然型護岸など、新たな技術や工法の開発が進んでいます。

また、老朽化した護岸の改修や更新も重要な課題です。長寿命化技術の導入や維持管理の効率化など、持続可能な護岸整備への取り組みが求められます。弊社が多くの施工を行っている維持管理の定期点検調査や鋼構造物の防食工事は、長寿命化技術の代表格の一つになります。

今後の護岸工事は、以下の点が重要になると考えられます。

  • 気候変動への対応
  • 自然環境との共生
  • 地域社会との連携
  • 技術革新の推進
  • 維持管理の効率化
これらの課題に取り組むことで、より安全で持続可能な社会の実現に貢献していくことが期待されます。

護岸工事による海への影響と課題

護岸工事による影響と今後の課題

護岸工事は、高潮や津波などの災害から人々の生活や財産を守るために不可欠なものです。 一方で、海の生態系に少なからず影響を与えている部分もあります。主な影響として、以下の点が挙げられます。

  • 自然海岸線の減少:コンクリート製の護岸は、生物の生息・産卵場所となる藻場や干潟、砂浜などを奪い、生物多様性の低下につながります。
  • 水質の変化:護岸工事によって海水の循環が悪くなり、水質の悪化を招く可能性があります。特に、閉鎖性水域では、海・湖沼・河川の水域における栄養分が増えてしまう富栄養化などの問題が生じやすくなります。
  • 景観の変化:コンクリート製の護岸は、自然の景観を損なう可能性があります。近年では、自然石を用いるなど、景観への配慮も進められていますが、更なる改善が必要です。
今後の課題としては、海などの生態系に及ぼす影響に対する対策を、さらに推進していくと共に、地域住民や専門家との連携を強化し、より効果的な対策を検討していく必要があります。

護岸工事
護岸工事

まとめ

この記事では、護岸工事の目的やメリットだけでなく、海への影響と今後の課題、そして将来性についても解説しました。

護岸工事は、波や風、津波などから海岸線を守る重要な役割を担っています。消波ブロックや捨石、コンクリート護岸など、様々な種類があり、それぞれの場所に適した工法が選択されています。

護岸工事のメリットとしては、高潮や津波による被害の軽減、海岸線の侵食防止、港湾施設の安定化などが挙げられます。これらのメリットは、私たちの生活や経済活動を守る上で非常に重要です。

特に近年では、地球温暖化による海面上昇や異常気象の増加により、護岸工事の重要性はますます高まっています。

しかし、その一方で、海の生態系に影響を与える可能性も懸念されており、地域住民や専門家との連携を強化し、より効果的な対策を検討していく必要があります。環境への配慮と防災機能の両立を図りながら、より高度な技術開発や、自然環境との調和を重視した取り組みを行なってまいります。

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